皆さま、こんにちは。中医営膳会の若槻です。
先日開催しました薬膳体験イベントのご報告をいたします。

毎年恒例となりました懇親会ですが、今年は12月18日、銀座の御膳房ガーデン様をお借りして、皆さまに季節に合わせたオリジナル薬膳を体験していただくことができました。師走の、月曜日の夜にもかかわらず、50名の方にお集まりいただくことができました。また、北京中医薬大学日本校の先生方や、先日のイベントでお世話になりましたツムラ様からもお越しくださり、大変賑やかな会となりました。ご多忙のところご参加いただき、ありがとうございました。

さて、プログラムの第一部、薬膳茶アドバイザー資格認定証授与式では、2017年度第2回試験に合格された方々へ、梁ペイ代表から証書の授与が行われました。
学ばれたことをご自身、ご家庭、お仕事などに活かし、ますますご活躍されることをお祈りいたします。おめでとうございます。

 

 

第二部では、「薬膳の理論と実践をコラボさせるには~空間、食器、食材、レシピ、そして・・・~」と題し、御膳房グループ代表の徐耀華氏と、本会梁ペイ代表とのスペシャル対談が行われ、お店の空間やメニューの設計と薬膳とのコラボレーションなどのお話を聞くことができました。

特に印象に残っているのは、お店の空間の設計です。自然豊かな雲南を想起させるように、店内中央には大きな木が枝をのばし、小鳥が遊んでいるのですが、実は、小鳥はお店の外壁からお客様を店内へ案内しているそうです。そして、ちょうど木の上に当たる天井には大きく円が描かれ、五色に色が変わっていきます。その円に注目し、円は陰陽にも通じ、真ん中には生きている木があること、中医学の視点からみると、このような空間では、動きがあり、流れることは生きることであるという梁ペイ代表の言葉が記憶に残ります。

 ⇒  ⇒ 

さて、お話の後は、いよいよお楽しみのお食事です。中医営膳会スペシャル薬膳コース料理は、楽しく美味しいだけでは終わらないのが中医営膳会の中医営膳会たるところです。今回は、中医営養学の性味表に加え、現代栄養学の食品成分表も、一品ごとに付いた薬膳解説書付。飲物をいただきながら、まずは梁ペイ先生から、施膳方針の解説です。

コース全体の施膳方針は「温養脾胃、滋補肝腎」。 気候と、忘年会が続くこの時期の事々を配慮した施膳方針だそうです。 一品一品を見てみると、「前菜六種盛り合わせ」では冷たいお料理だけれど食材は温性に傾いていたり、「百合根とセロリの炒め」は陰を補う方針だけれどその一皿としては平性となっていたり、また、再び全体を見渡すと陰陽のメリハリが効いた、バランスがとれたコースとなっています。
締めくくりの一品、「滋養薬膳炊き込みご飯」は甘酸っぱいおこわで、デザートにもなります。よく飲んでよく食べた後に脾胃を整える施膳方針で、忘年会シーズンのお身体の状態も考えられた一品です。おなかいっぱいになりましたが、全くもたれることなく快調でした。
お料理は全てで9品。上品な味、彩り美しく、「雲南はキノコの王国」と徐代表がおっしゃっていたように、何種類ものキノコを味わうこともできました。

小鳥が食卓へ導くように、施膳方針解説が脳内へ知識を届け、より美味しく身体にも効く食事になり、薬膳解説書を片手に薬膳を知る仲間と食材やお料理について語り合える機会もまた、お料理を美味しくさせ、楽しいお食事の場としていただけたのではないでしょうか。

薬膳体験イベントが本年最後のイベントとなりましたが、来年も有意義なイベントを企画していく予定です。変わらずお力添えいただきますよう、お願い申し上げます。
本年はありがとうございました。良いお年をお迎えください。

******************************************************
中医営養・薬膳学研究会
(2017.12.31)